VP・装飾デザインの大切さや魅力・どんなことをするのか?|お仕事の進め方|依頼の仕方【滋賀県のデザイナー】
おはこんばんにちは。
fumika(@nnf_57)です。
私は会社員時代を含め、約7年間VP・装飾デザインのお仕事に携わっています。
独立してからもありがたいことにご縁があり、滋賀県内のショッピングモールなどのVP・装飾デザインをしています。
他にも展示会の装飾やインテリアに使える花材を制作したりと、独立してからは装飾関係のお仕事の幅も広がりました。
この記事では私がやっているVP・装飾デザインとはどんなお仕事なのか、なぜ大切なのか、どんな魅力があるのかをまとめています。
商材を販売している方や、ショップを運営している方はぜひこの記事が参考になればと思います。
VP・装飾デザインってどんなお仕事?
まずはじめに、VP・装飾デザインとはどんなお仕事なのかということをご説明します。
私が承っているお仕事はVPデザインと装飾デザインの2種類があり、お仕事の流れはほぼ同じですが、目的が違うということがポイントになります。
VPという言葉はアパレル関係のお仕事をしている方だと耳にすることはあるかと思います。
聞き慣れない方も、実際はお店にいくとVPを目にしていることがほとんどなので、この記事を見て「そういうことだったのか!」と少しでも感じてもらえると嬉しいです。
VPは商材のプロモーションが目的
VPは主に商材のプロモーションが目的となります。
VPとは、Visual Presentation(ビジュアル・プレゼンテーション)の略で、売り出したい商材のイメージやコンセプトを店頭の全面に打ち出し、お客様からの注目度を高め、入店を促す役割をします。
売り出したい商材のブランドイメージやコンセプトをしっかり理解し、どういったVPをするとお客様に興味を持ってもらえるか、購入意欲が高まるかを考えるのがデザイナー(私)のお仕事です。
入店や購入意欲を高めるためのデザインなので、プロモーションが目的ということです。
主にショーウィンドウやショッピングモールの通路などにディスプレイが設置されていることが多いです。
ショッピングモールなどではそのモール全体の品揃えや訴求する商材をピックアップしてVP展示することがあります。
装飾はショップやイベントのイメージを高めることが目的
VPは特定の商材をピックアップしてプロモーションするのに対し、装飾はショップやイベント全体のイメージを高める目的があります。
賑わっているお店の演出やブランドにあった装飾をすることで、入店したい・このショップで購入したいと思わせ、集客することが重要になります。
集客にはCMを打ち出したり、キャンペーンを開催したりと様々な方法がありますが、リピーターを獲得するためにはショップ自体のファンになっていただくことが大切です。
ショップのブランドを理解し、ブランドイメージを高め、ファンを獲得するための装飾を考えることがデザイナー(私)のお仕事です。
ファン・リピーターを獲得するためのデザインなので、ブランドイメージを高めることが目的ということです。
ブランドイメージを高めるとファンがつきやすいため、リピーター獲得に効果的になります。
ショッピングモールやショップなどでは、シーズンに合わせた装飾(ハロウィン・クリスマス)をすることが多いです。
イベントや展示会では内容に合わせた装飾をするという感じです。
VP・装飾があるのとないのではどう違う?
私がやっているVPや装飾がどのようなお仕事なのかをご説明しましたが、ここでは実際にVPや装飾があるのとないのではどのような印象の違いがあるかを比較していきます。
それぞれどんなポイントがあるかも解説しているので、実際に商材を売り出す際の参考にしていただければと思います!
VPは商材をより魅力的に見せる働きがある
左は商材を置いただけのもの、右は商材に合ったVPデザインをした比較画像です。
今回は「オーガニックコスメ」を売り出すためのVPデザインです。
オーガニックをイメージさせるためのコットンや木、グリーンなどの花材を置いているだけですが、一気に商品の周りが華やかになり、お客様の視線を集めることができます。
仮に、ショップに「イチオシ商品」として並んでいる時に、どちらの方が魅力的に見え、購入したいと思えるでしょうか?
左は商材のみなので見やすいですが、ただ置いているだけで商材のイメージは伝わりにくいです。
右は商材のイメージにあった装飾を施すことで、商材のイメージがしやすくなります。
お客様の視線を集めやすく、商材の内容や購入イメージをしやすくするということが大切です。
これはショッピングモールでよくある、各ショップのイチオシの商材を集めて展示する集合VPと呼ばれるものの比較画像です。
こちらもただマネキンを並べるだけ(画像左)より、VP装飾がある方(画像右)がシーンイメージがつきやすく、お客様が自身で着用した場合を想像しやすいので、購入意欲を高めることができます。
装飾は空間をより魅力的に見せる働きがある
クリスマス時期のショップを例にした比較画像です。
落ち着いた雰囲気の靴が並んでいる店内ですが、クリスマスシーズンにはこのようにツリーやオブジェを飾ることで、一気にシーズン感が増します。
ショップに合わせたゴールドを基調にしたカラーにアクセントレッドを入れています。
ギフトイメージを持たせたいならギフトボックスなどを増やしてもいいかもしれません。
左は何も装飾がないショップで、すっきりはしていますが年中同じ店内だと変わり映えがありません。
右は商材だけではなく、店内の雰囲気からお客様を楽しませています。
商材目当てではなく、ショップ空間を楽しんでもらい、ファンになって足を運んでもらうことが大切ということです。
VP・装飾のお仕事はどのように進んでいく?
ここでは私がどのようにVP・装飾デザインのお仕事を進めているかをご説明します。
場合によっては工程に追加や省略がありますが、ほぼこんな感じで進めているので、VP・装飾デザインをどう依頼すればいいかわからない方や、普段目にしているショップのVP・装飾デザインはどのように設置されているのか気になる方はぜひ参考にしてみてください。
各工程で、クライアント様へのお願いや準備しておいていただくと助かるもの等もまとめています!
VP・装飾デザインはヒアリング〜デザイン・施工まで一貫して担当している
私は独立してから、ヒアリング〜デザイン、施工管理まで一貫して担当しています。
設営や撤収は一人では流石に無理なので信頼している業者さんに協力をお願いしています。
また、什器制作や大掛かりな装飾、特殊な加工があるシートの印刷などはお世話になっている業者さんに発注をさせていただいています。
デザイン通りの什器が製作できるので、目的に合わせた装飾をご提案できることが強みです。
個人でやっているので、お打合せのタイミングを合わせやすかったり、デザインをとことん突き詰められることも個人でやっている強みだなと思います。
ヒアリング
一番最初のヒアリングは、基本的に対面で現場を見ながらお打合せすることが多いです。
予めご連絡いただいた段階で、ご依頼内容が大体わかっている場合はヒアリングシートを作ってそれに沿ってヒアリングします。
ご依頼内容が大まかな場合は、まずどんなことで悩んでいるのかをお聞きするところからです。
【内容がまとまっていると嬉しい部分】
・何に悩んでいるのか
・どんな結果を望んでいるのか
・予算はどれくらいなのか
また、
・装飾に使えそうな什器の資料 等
があると、参考になるのでとても嬉しいです。
もちろん、上記の内容がまとまっていなくても全然大丈夫です。
一緒にゴール設定をしていきますので、まずはお気軽に相談してみてほしいです。
コンセプト決め・ラフデザイン
ヒアリングして、どんなものが必要がまとまったらラフデザイン制作に入ります。
ここではコンセプトを決め、どのようなVPデザイン・装飾デザインを施すかを考えていきます。
全工程の中で一番時間をかけているのがここになります。
コンセプトをしっかりと決めることで、装飾全体のデザインの方向性を統一させます。
【お伝えいただくと、嬉しいこと】
・希望の装飾イメージがある場合
・商材はどのようなものなのか
・普段どのようなお客様がショップ、施設を利用しているのか
・どんなショップ、施設なのか 等
VP・装飾デザインをする商材や場所のことを一番理解しているのは、クライアント様です。
そのクライアント様からいろんな情報をお聞きすることで、より目的にあったコンセプトを設定できるので、とにかくなんでもお伝えいただけると嬉しいです。
この部分に関しては、ヒアリングが終わっているからといって遠慮せず、電話でもメールでもいつでもなんでもいいのでぜひお気軽にお伝えいただけると嬉しいです。
現調(現場調査)
コンセプト、ラフデザインが決まれば、どのように設置するか等も含めて現調(現場調査)をします。
ちなみに現調は最初のヒアリングの段階で一緒にすることも多いです。
この段階での現調は、設営や撤収に協力してくださっている業者さんと一緒にお伺いし、どのように設置したほうがいいか相談しながら様々な方法を検討します。
【ご準備いただけると嬉しいもの】
・VPや装飾デザインを設置する場所の図面
吊り装飾をする場合の耐荷重や詳細なサイズ感が図面に書いてありますので、その図面をいただけるととても嬉しいです。
現調は、デザインを考える際にも設営撤収する際にもとても重要な部分です。
必要なら何度も現調を重ね、このデザインは実現可能かを考えます。
本デザイン・ご提案書作成
現調で現場をしっかりと理解したら、装飾の内容や設置の仕方、設営撤収にかかる時間なども考えながら本デザイン制作に入ります。
できる限り、ご提案書を見たら装飾のイメージがつきやすいようなデザイン画を制作します。
ご提案書にはどんな資材や装飾を使っているのか、サイズ感なども記入して分かりやすくなるよう心掛けています。
ご提案(1回目)
最初のご提案はできる限り、対面(通話)でのご提案をしています。
ご提案書のみでも分かりやすいようにということを心掛けてはいますが、初めてご依頼してくださったクライアント様はきっと疑問点や不安点も出てくると思います。
その時にその場ですぐ答えられるようにしたいのと、実際に現場を見ながらご提案ができるからです。
もちろんお忙しいタイミングもあると思いますので、絶対に対面でのご提案というわけではありません。メールでのご提案でも大丈夫です。
修正
1回目のご提案で、何か修正のご希望があれば内容をお聞きし、修正します。
ここではお聞きした修正内容に加え、全体のバランスも調整します。
一部を修正したら全体のバランスが変わるので、そこも考えた上で修正をしています。
ご提案(2回目)
修正案のご提案です。ここはメールでのご提案が多いです。
必要な場合はお伺いし、現場を見ながらご提案しています。
仕込み
ご提案内容にOKがいただけたら、事前に準備できるものの仕込み制作作業に入ります。
できるだけ当日の設営時間を短くするために、設置するだけ・取り付けるだけの状態にしておきます。
主に事前にしている仕込み作業は
・シートカット
・花材アレンジメントの制作
・什器制作 等
大きい什器の制作等がある場合は仕込みの時間が掛かるので、早めに作り始めることができるととてもありがたいです。
設営
仕様書やデザイン画をもとに、協力してくださっている業者さんと一緒に設営作業をします。
事前に申請書等が必要な場合などはお伝えしておいていただけるとスムーズに作業させていただけるかと思います。
【ご準備いただけると嬉しいもの】
・作業スペース
資材を置いたり、什器にシートを貼る、花材を取り付けるなどの作業は当日現場でないとできないので、作業スペースがあるととても助かります。
メンテナンス
長期間(半年〜)の展示の場合、途中でメンテナンス等をさせていただくことがあります。
他にも設置環境や装飾の内容によってもメンテナンスが必要になる場合があります。
事前のご提案の際にお伝えしておきますので、綺麗に展示をするためにもご協力お願いいたします。
また展示中に何か不安点が出てきた場合も遠慮なくお伝えください。
撤収
撤収も協力してくださっている業者さんと一緒に作業します。
使用した資材や装飾関係の保管は事前にご相談させていただきます。
特にクリスマス等の大掛かりな装飾の際は、保管の場所をしっかり確保しておく必要があるので、事前のお打合せが必須になります。
全体の流れとしてはこのような感じで進めていきます。
定期的にご依頼いただく場合等は現調は基本的に最初だけで大丈夫ですし、ご提案もメール等のやりとりのみにし、クライアント様が掛ける時間をできる限り少なくしていきます。
VP・装飾をする上で大切にしていること・得意なこと
学校を卒業してからずっとVP・装飾のお仕事に関わってきました。
会社員時代に教えていただいたこと、独立してから学んだことの経験を踏まえた上で大切にしていることや得意なことをまとめてみました。
VP・装飾をする目的を明確にすることを大切にしている
ショップや施設のVP・装飾には必ず目的があります。
商材のプロモーションがしたいのか、認知度を高めたいのか、ブランドイメージを統一させたいのか。
目的はクライアント様の数だけあります。
目的がないVP・装飾はただの自己満足になるので、お金を払ってまで依頼する必要はないと思っています。
目的によってデザインも大きく変わるからこそ、クライアント様と一緒に何のためにVP・装飾をしたいのかということを明確することを大切にする必要があります。
流れ作業のようなお仕事をしたくないからこそ、クライアント様とコミュニケーションを取ることを意識しています。
この目的を明確にするということは、独立をして私自身がヒアリングの段階からしっかり関われるようになったからこそより大切にしている部分でもあります。
VP・装飾の大切さを伝える努力をしている
VP・装飾は結果が数値として表れにくい部分でもあります。
売り上げが上がったのがVPのおかげなのか、ショップのファンやリピーターが増えたのは装飾のおかげなのか、はっきりとはわからないことの方が多いです。
だからこそ、VP・装飾がどういった場面で必要なのか、その大切さをしっかりと伝える必要があると思っています。
商材の魅力はVPを考えた方がお客様に伝わりやすくなります。
コンセプトがはっきりしていて統一された装飾はブランドイメージが高まり、ファンやリピーターがつきやすくなります。
商材の魅力を伝えることはもちろん大切ですが、年間を通して装飾でお客様を楽しませることも大切です。
この部分を大切にしているショップや施設は他との差別化を図ることができます。
VP・装飾にはその力があるからこそ、クライアント様を始め、ショップや施設を運営している人や商材を販売している人に大切さを伝える努力をしています。
立体的な装飾やテーマ性を持たせた装飾が得意
立体的な装飾というのは「一方向から見ると美しい装飾」ではなく「多方向から見て美しい装飾」が得意という意味です。
ショップや施設に展示しているVPや装飾は一方向から見るだけという場面は少ないです。
いろんな場所にお客様がいて、他方向からVPや装飾を目にします。
それを意識したVPや装飾をずっとデザインしてきたからこそ、強みの一つになっています。
テーマ性を持たせた装飾というのは、何かの商材をピックアップする時にその商材のイメージ+コンセプトテーマを持たせた装飾をするという意味です。
クリスマス装飾をする時に「南国のクリスマス」や「おうちで過ごすクリスマス」といったようなテーマをつけることで、そのショップや施設の色を出した装飾で他との差別化を図ることができ、よりお客様からの注目度が高まります。
ただのクリスマスじゃない、そのショップや施設のクリスマスという装飾をデザインできることが、強みの一つになっています。
VPや装飾のお仕事は商材を売り出すための大切な要素
会社員時代を含め、独立してお仕事をしてきた今までの経験から、VP・装飾の必要性や大切さを感じてきました。
商材のプロモーションの仕方は商材の数だけあるので、毎回新しい展示を考えます。
トレンドを追った装飾がいいのか、ショップの色を出した装飾がいいのか。
この辺りを考えるのがこのお仕事の楽しいポイントでもあります。
また、デコレーターとしても現場に出ているので、実際に平面で考えたデザインを立体に起こす楽しみもあります。
ショップやイベント、施設のVPや装飾をどうやったらいいかわからないという方は、ぜひ一度ご相談いただければと思います!
一緒に素敵な商材プロモーションやショップの装飾を考えることができれば幸いです!
現地を見ることが難しい場合でも、写真や動画等で資料を見ながらお話をお伺うことができるので、お気軽にご連絡ください。
詳しい過去実績が見たい!という方はお問合せよりご連絡いただけますと、PDF資料をお送りさせていただきます。
fumika.